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シンチグラフィー(SPECT/PET)検査

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放射性同位元素で標識した薬剤が特定の臓器に取り込まれると、γ(ガンマ)線を放出します。これをγカメラでスキャンした画像がシンチグラフィー検査です。PET(陽電子放射断層撮影装置)が登場して以降はSPECTとも呼ばれています。



骨転移、骨肉腫(にくしゅ)などが検査できる骨シンチグラフィー、がんや炎症組織にとり込まれやすいガドリニウムシンチグラフィー、脳の血流分布を見る脳シンチグラフィー、心筋の血流の不均等を見る心筋シンチグラフィー、肺梗塞(こうそく)の診断に使う肺シンチグラフィーなどがあります。











PETでは陽電子(positron)を放出する核種を使います。陽電子は消滅するときに2個のγ線が180度の反対方向に放出されるため、これを検出して存在部位を明らかにします。



いっぽう、がん細胞や脳、心筋細胞などは他の組織よりも代謝が活発です。陽電子を放出する核種18Fで標識したぶどう糖を投与すると、がん組織の存在、心筋や脳の活動状態がわかります。陽電子を放出する核種の半減期は短いので、少量投与であれば人体への影響はありません。逆に、作成してから検査までの時間を短縮しなければならず、施設内にシンクロトロンなどの生成機器を設置する必要があります。全身を一度に調べられ、かなり小さながんも発見できることから、がんの早期発見のための検診にも使われるようになっています。