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白血球数・白血球分画(百分率)

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感染、炎症で増加、白血病で異常

白血球は、骨髄で生成される好中球、好酸球、好塩基球、単球と、リンパ系組織で生成されるリンパ球に分類されますが、まとめて白血球として数えられます。その分類には顕微鏡で観察していましたが、最近では自動分析機を使用することが多くなりました。このときには、桿状核、分節核の区別はできません。正常では生成段階の初期の幼弱な細胞は末梢血には出てきません。

細菌感染が存在すると、血液中の白血球、とくに好中球が増加し、細菌を貪食(どんしょく)して破壊します。白血球の増多は感染症の存在を示し、手術の必要性や抗生物質使用の判断基準として使われます。

好酸球はアレルギー反応に関与し、花粉症やじんましん、寄生虫感染などのアレルギー反応状態では増加します。

リンパ球は免疫反応に重要な役割をしています。異物を認識したり、抗体を産生したりします。

白血球のがんを白血病といいますが、骨髄で異常な白血球細胞が増殖し、幼弱なまま末梢血液中にも出現してきます。異常な細胞が骨髄で増殖するので、正常な白血球や赤血球、血小板の生成が妨げられて、感染を起こしやすくなったり、貧血、出血傾向がみられるようになります。

検査結果から疑われる病気

◇白血球数 

正常値:4000〜9000/μl

高値の場合には、次のことが考えられます。 

(→感染症)(→白血病)(→心筋梗塞)(→肺梗塞)、手術、(→やけど)など

低値の場合には、次のことが考えられます。

(→重症敗血症)(→急性白血病)(→無顆粒球症)(→薬剤アレルギー)

白血球百分率をみるときは、白血球数と関連させた絶対数も重要

◇白血球百分率(好中球) 

正常値:30〜70%

増加の場合には、次のことが考えられます。 

(→感染症)(→自己免疫疾患)(→心筋梗塞)、手術後、(→やけど)など

減少の場合には、次のことが考えられます。

(→抗がん薬投与)(→放射線照射)(→急性白血病)(→がんの骨髄転移)、骨髄線維症、(→敗血症)(→無顆粒球症)、ウイルス感染症など

◇白血球百分率(好酸球) 

正常値:0〜8%

増加の場合には、次のことが考えられます。 

特発性好酸球増加症候群、(→薬剤アレルギー)(→気管支ぜんそく)(→じんましん)(→アレルギー性鼻炎)(→花粉症)(→寄生虫感染)など

減少の場合には、次のことが考えられます。

(→腸チフス)(→顆粒球減少症)(→クッシング症候群)(→バンチ症候群)

◇白血球百分率(好塩基球)

正常値:0〜3%

◇白血球百分率(単球)

正常値:0〜10%

◇白血球百分率(リンパ球)

正常値:20〜60%

増加の場合には、次のことが考えられます。 

(→リンパ性白血病)(→ウイルス性感染症)(→腸チフス)(→結核)など

減少の場合には、次のことが考えられます。

急性炎症初期、ステロイド投与、放射線照射、抗がん薬投与