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ギラン・バレー症候群<ぎらん・ばれーしょうこうぐん>

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感冒症状や下痢があり、その1〜3週間後に下肢先端から筋力低下が始まります。これは急速に上行し、下肢全体の筋力低下、上肢の筋力低下、顔面筋の筋力低下、さらに呼吸筋の筋力が低下して呼吸ができなくなります。5〜7日目がピークとなり、その後は徐々に改善していきます。

診断は筋電図と、脊髄液でたんぱくが増加していることでわかります。治療は呼吸筋まひが起これば人工呼吸器を使用し、回復を待ちます。血中に末梢神経を攻撃する抗体があるので、ガンマグロブリンの大量投与または血漿(けっしょう)交換をくり返します。その後はリハビリテーションを開始し、運動訓練を続けます。

早ければ1カ月、時には数年かかることもありますが、いずれは回復します。原因としていろいろな細菌やウイルスが指摘されています。特に多いのはカンピロバクターやコクサッキーウイルス、エコーウイルスです。これらの細菌やウイルスが感染し、これに対する抗体ができ、たまたまその抗体が同時に末梢神経をも攻撃してしまうことが病因となります。

ギラン・バレー症候群と同様の疾患で、眼筋まひ、運動失調、腱反射消失を起こすものがあり、フィッシャー症候群と呼ばれています。これはカンピロバクターという細菌に感染して抗GQ1bIgGという抗体ができることが原因となります。