にんにく
〜新陳代謝を促進するスタミナ野菜〜
中央アジア原産。古代エジプトでは、強壮を目的に栽培されていた。日本へは平安時代以降に中国から渡来し、主に薬用として利用。香辛料として日々の料理に使われ始めたのは戦後のこと。若葉や茎(にんにくの芽)も薬効が高い。旬は春から初夏にかけて。
1かけ(約10g)で
カリウム
2000mg
53mg
ビタミンB
1
0.8mg
0.019mg
食物繊維
19g
0.57g
※
青文字
は日本人の1日当たりの栄養所要量(30〜49歳の女性を基準にした数値)
にんにくを切ると、独特の匂いが生じます。それは、にんにくのアリインという成分がアリイナーゼという酵素によって分解され、アリシンというイオウ化合物ができ、これが臭気を発するからです。アリシンには血栓ができるのを防ぎ、血液をサラサラにする優れた作用があります。また、にんにく自体に含まれるビタミンB
1
の吸収を高め、疲労回復を促進します。強い殺菌・抗菌作用もあるため、風邪の予防にも有効です。
もうひとつの主成分スコルジニンは、新陳代謝を高めて血行を促進し、脂肪の蓄積を防ぐ作用があります。また血圧を下げる効果や疲労回復、心臓の働きを活発にする効果、精子の増殖促進効果も期待できます。
にんにくを低温で加熱すると、有効成分アホエンが発生します。これもイオウ化合物の一種で、強力なガン抑制作用があることがわかっています。
匂いをやわらげるコツ
にんにくは、切り口が空気に触れることによって酵素が働き、アリシンに変化して強烈な匂いを発します。切らずに皮をむき、そのまま調理すると匂いがやわらぎます。また切ってから時間がたつほど匂いが強くなるため、匂いの苦手な人は食べる直前に調理するのがコツです。
薬効が高いが食べ過ぎは禁物
にんにくは刺激が強いため、食べ過ぎると胃の粘膜を傷つけます。また赤血球を減らす作用があるため、貧血を招くこともあります。食べ過ぎは逆効果ですので、1日に2かけ以内を目安に摂るようにしましょう。
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