貝類
〜海の栄養素が、コレステロールを減らす〜
島国日本では、かき、あさり、しじみ、さざえ、あわびなど貝類が豊富にとれる。貝類特有の旨味はコハク酸、甘味はグリコーゲン(糖質の一種)による。あさりは春、しじみは夏と冬、かきは冬場が旬。いずれも旬の時期に有効成分の量が最も多くなる。
かきむき身5個(約50g)で
亜鉛
10mg
6.6mg
ビタミンB
1
0.8mg
0.02mg
ビタミンB
2
1.0mg
0.07mg
※
青文字
は日本人の1日当たりの栄養所要量(30〜49歳の女性を基準にした数値)
貝にはビタミンB・D・E群、カルシウム、マグネシウム、鉄分などのミネラル類、そして肉類に劣らない良質のタンパク質が豊富に含まれています。それは、海水に溶けている海の栄養素をエラを通してとり入れ、カラの中に封じこめているからです。つまり、生命の源である海の恵みが、そのまま濃縮されたのが貝なのです。
ストレスによる血圧上昇を防ぐ
貝に含まれる注目の成分が、アミノ酸の一種タウリンです。人間は、興奮したりストレスがたまったりすると交感神経が働き、カテコールアミンという物質が放出されるため、血圧が上がります。タウリンは、このカテコールアミンの放出を抑え、血圧の上昇を防ぎます。
また肝臓でコレステロールを分解・排出する働きをもつ胆汁酸の分泌を促す作用もあることから、コレステロール値の低下にもひと役かっています。
さらにタウリンには、心臓から送り出される血液の量を増やす作用があり、心不全や不整脈を防ぐ効果があることもわかっています。インスリンの分泌を促すため、糖尿病の予防にも有効です。
タウリンは人間の体内でも合成されますが、その量はごくわずかです。手に入りやすい貝類で、上手にタウリンを補給しましょう。
タウリンの上手な摂り方
タウリンは、加熱によって栄養価が損なわれることはほとんどありません。しかし、水に溶けやすい性質があるので、貝を使った料理のだしや汁は残さずに食べるようにしましょう。
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